個性を活かす組織運営とは

ブログを読んでくださっている皆さまへ。
新年あけましておめでとうございます!
運営担当ギブ・スパイラル・ジャパン社長室 西浦晃子です。
本年も皆さまの心が晴れるような、
そして元気が出るようなブログを更新して参ります!
今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、2017年1発目のテーマは、「個性を活かす組織運営とは」です。
それでは弊社代表である鷹尾と高井俊成様の対談をお届けします。

成績の良い上司は仕事を任せる
成績の悪い上司は仕事のやり方を押し付ける

鷹尾氏:社長の成長のために、発想転換となる気付きの与え方は本当に難しいです。例えば営業先でお客さんに「うちの会社のことを、どう思っていますか?」と質問してみたらどうだろうかという発想が自分では思いつきにくいのではないかと思います。
権限や数字を与えたところで、果たして思いつくようになるでしょうか。

高井氏:創業間もない若い企業ではノウハウ、社員の良いところの共有をすることが1つの課題でしょうね。企業では実践からいろんな素晴らしい手法が生まれてきます。人それぞれのやり方や会話の仕方、話法が違うので、例えばペアになって一緒にお客さんのところへ行き、勉強させる方法もあります。
そこで、この話し方はお客様に受けている、喋りすぎて会話のキャッチボールが出来ていないのも良くないな、という発想もあります。

私は若い営業マン時代に、話法を勉強するために他人のやり方をマネることを意識して取り入れました。同僚の中でも喋り方がうまくなく、途切れ途切れに喋る人がいましたが、その人は営業実績が極めて良いという事実がありました。

なぜ喋りがうまくないのに成績が良いかと言うと、お客様との間合いの取り方が非常にうまかったのです。喋りすぎるとお客様は理解できず、結果「的」を得た質問が出来ないというようなことが起こります。
寡黙な人は、お客様に喋らせることになりますよね。質問に答えることが中心になり、話の焦点が上手く合うわけです。そこで話法がとても重要なんだと気付かされました。

営業の仕方としては、上司に同行してもらい「話し方」や営業の仕方を勉強する方法もありますが、これは難しい面もあります。
それは成績の良い上司だと部下の使い方がうまいから良いのですが、成績の悪い上司だと自分のやり方を押し付けてしまう。成績が良い上司というのは自信があるので、部下に好きなようにやっても良いよと任せる余裕があり、成績が悪い上司は成績を上げるために部下を教育しないとダメだと思い込むことで、自分のやり方を押し付け、ますますダメになってしまうことが起こりがちです。人の育ち方やレベルをよく見ながらうまく誘導していくことが必要だと思います。

鷹尾氏:それは相当耳の痛い話ですね。

高井氏:上司が教育方法をワンパターンで決めつけてしまうと、部下が自分で考えなくなってしまいますよね。言われた通りにやりましたよ、と言い訳にしてしまう可能性も出てきます。

鷹尾氏:そうですよね~。うーん。例えば営業を常にペアで同行させるとかでしょうか?

高井氏:そこまで仕組み化はしなくても良いと思いますが、ノウハウ共有できるような仕掛けを作ってみるのはどうでしょうか。
ノウハウを議論する場や、お互いに助け合いをやってみる、お互いの話法を勉強してみよう、など上手く刺激し合えれば良いかなと思います。

 

鷹尾氏:もう少し問題は深刻かと思うのですが、隣の人のやり方を見せてもらったとしても、実際見るべきもの、学ぶべきものがあまりないのではないかと。そのような場合は、自分のやり方をそのままやらせた方が結果が出るというのは理解できます。

高井氏:そうなるのであれば、成功例や失敗例の事実を共有し、ブレイクダウンしていく方法もあると思いますよ。個人が色んなケースを経験しながら力をつけていくわけですが、その工夫は極めて有益ですね。ヒント満載で大きな刺激を受けると思います。
私が若い頃受けた研修は、事実・事例研究中心でしたが、他人のやっていることがとても気になりましてね。そこではとても刺激を受けた記憶があります。

会社がまだ小さい段階は、社長が自分のやりたい事で人を引っ張っていく
社員に成長させてくれる会社だと思わせることができれば、組織論に繋がっていく

鷹尾氏:そうですね、事例の共有も必要ですね~。
事例の共有というところで、成果主義思考の強い人間が居まして。結果を出した時に、なんでこんなに上手くいったのか聞いたところ、「言われた通りにやっただけなので、僕の手柄ではありません」と返事されました。
それはすごく今の人の代表的な特徴だと思うんですよね!
視野が狭いのか、、自分の経験で何が起こったのかのプロセスに関心が向いていないというのか、、、とにかく自分の頭で考えていないので、実態が本当に分からないです。

高井氏:個人ベースのゲーム感覚なんでしょうね、強調してどうこうというところには関心がないんだろうね。

鷹尾氏:そうなんです。例えばゲームをしていて「面白い」か「面白くない」かが重要であって、なぜ面白いのかというところには関心がないわけです。
プロセスを紐解いて上手くいった理由を抽出してあげていますが、よく考えれば結局教えたことと同じだなと(笑)

高井氏:そうであれば、形式的に成功や失敗の事例報告をさせて、根掘り葉掘りヒアリングして引っ張り出すことですかね。そこまで問題意識を持って出来ないのであれば、強制力を使うしかなさそうですね~先程の「言われた通りにやっただけ」とは具体的に何をやったんでしょう?

鷹尾氏:なんでうまくいったのか考えてもみなかった、というような感じなんです。
個別性をベースにそれぞれが育ってもらう、と考えると、個人の中身を見なければいけないので画一的な方法はないと考えています。

高井氏:それはそれで良いと思います。みんな同じパターンの教育に持ち込むというのは厳しいですし、あまり意味もないでしょうね。1人で頑張る人もいれば、みんなと力を合わせて頑張りたい人もいる。自分に優しい人、甘えん坊もいる。やり方も違えば、喋り方も違う。
人の動かし方というところで考えると、そのような性格や適性をうまく掛け合わせるしかないのかもしれません。そうすることで、それぞれの良い面はみんなで活かしたいですね。

鷹尾氏:そうですね~、1人ずつを1.2の力にしていけたら良いのですが、1あるものを1活かすしかないという中で、競争意識もないとなると、社内に比較対象がない。
比較対象がないということは、本人も自分がこの状態は間違っている、と思う機会が少なくなり、報連相にも支障が出てきます。報告がないと現状把握も出来ないですし、新しい世界を魅せるきっかけもなくなってしまうのです。

高井氏:一般的に人を動かすには「組織的解決」という手法になりますが、今の話を聞いていると現状では「個別人間対策」というところでしょうね。
「組織論」を先にやってしまうよりも、個人が力を発揮できる方法を考えるというのが当面の間は必要かもしれませんね。

鷹尾氏:多くの社長さんがここのバランス感に悩んでいるのかもしれません。

高井氏:もう少し会社が成長してくると、社長から見た時に部下全体に対するストレスが増えてくると思います。それはもっと部下に働いて欲しいと思うことが度々出てくるということです。
なかなか社長の考えが浸透しないというのが、組織が大きくなればなる程、ストレスになってきます。ある程度大きくなればルールが出来てくるので、ルールを作る前の段階ということです。
会社がまだ小さい段階というと社長が自分のやりたい事で人を引っ張っていくしかないのです。
社員は自分たちの生き甲斐を社長のやりたい事にうまく合わせられたらやりやすいと思いますね。自分の目指す姿と社長のやりたい事が同じであれば、一体感が出てきます。
自分が得られるものがある、成長させてくれると思わせることが出来れば、組織としてのテーマが議論しやすくなり組織論に繋がりますね。そういう事が出てくれば組織のベースができ、拡大していき、そうなればまた次の新しい悩みが出てくる。
組織の成長、組織の課題はそういうもので、企業の発展に伴い、次元をかえて変わってゆくものです。しかし、組織の課題に終わりはなく、いつもあるものです。

鷹尾氏:任せてやらせるという方向軸と、社長のパーソナリティでやりたいことを浸透させていくというバランス感ですよね。今その過渡期にあります。
ある時は、経験させていっぱい失敗させようという判断の時もある。
しかしある時には、経験させることを止めさせることもある。
場面場面によってつぎはぎな判断をしています。

高井氏:それは社長の立場として柔軟な対応で良いと思います。現状に合わせて臨機応変に対応するということですね。しかし、あまりにもコロコロ発言が変わると社員が困ってしまうので、軸足をきちんとして柔軟性をもつということだと思います。
方針と方向性はきちんと決めておいて、個別については臨機応変に対応していくことが大事ですね。

鷹尾氏:臨機応変で言いますと、先日もコンサルティング事業部に強烈な指示をしましたね。自分たちが首を締めていくという種類の話は、強制的に指示を飛ばすと決めています。
その通りにすれば部下が楽になったと思うに違いないなという判断で指示を飛ばしています。
強制的な指示のないものは失敗しても良いから、自分の頭で考えて、自分でやりなさい。ということですね。後は経験した情報を共有しています。

高井氏:全部社長の指示の下でやろうとすると、部下は息が詰まります。
とはいえ任せすぎると、どうやったら良いかを自己流にしてしまうし、悪い方向にいく可能性もあります。そこを社長と社員お互いがうまく合わせていけるようコミュニケーションスタイルを作っていくということですよね。
いつも怒っている、いつも笑っている、と、組織はどちらかに偏ってしまいます。調整とバランスを意識したら良いと思いますよ。社員個人を活かす、という歯車が回り始めると物凄い力となって組織が動き始めます。