社員(部下)を伸ばす褒め方・叱り方。

叱る上司、何も言わない上司、褒める上司の中では、
叱る上司、褒める上司のことは覚えている。それは心の会話が出来ていたからだと思います。

鷹尾氏:教育の話ですが、飴と鞭の中の「のせ上手」という褒め方の話ですが、基本的に何でも褒める人は「良い褒め方が出来ない」という要素がありますよね。

高井氏:ありますね。もちろんおだてながら仕事をさせるということも出来ますね。おっしゃる通り何でもかんでも褒める、つまり褒めすぎるとメリハリがつかなくなります。
褒められて嬉しいということは、そのような結果を生むかを考えることが重要だと思います。やる気のある人間に対しては、「褒めること」「叱ること」でやる気を引き出す効果があるという点でとても重要です。

鷹尾氏:難しいですね~褒める叱るという行為にタイムタグを考えておかなければ、伝え方に強弱がつかず、ポイントがずれますし。

高井氏:社員はどんな時に褒めて欲しいかと考えると、本当に苦労した時にこそ褒めて欲しいですよね。その方が嬉しいですし、意欲が上がるような褒め方だと良いですよね。
褒め方にもいくつかのパターンがあります。それは「叱られた後に褒める」のが良いのか、「褒められた後に叱られる」のが良いのか、の順もあります。
褒められるということを人材教育の1つの手段として十分認識して使うことが大事ですね。
例えば、嫌いな上司から褒められる、もしくは褒められても嬉しくないというところを褒められると、嬉しくないですよね。
褒められる側から見て、「褒められて嬉しいポイント」というのがありますし、褒める手段も重要になります。よく言われる手段として、褒める時はみんなの前で。叱る時は陰で、というような話です。
しかしこれは人によってやり方が違いますので、本当に部下個人に気持ちが伝わる言い方というのは、多くの人がいる前では伝えにくいですね。みんなの前で褒めて欲しいことと、個人に直接心を込めて褒める、というのは違ってきます。

鷹尾氏:深いですね~!今わが社のみんなは頑張ってまして、幹部もたくましく育ってきています。褒める、叱るのバランスで言うと、叱る方が圧倒的に弱いと懸念しています。

高井氏:それは部下に対して気を使い過ぎている、ということかもしれませんが、厳しく言うのは言葉が少なくて良いですよ。私は「大きな褒め方・叱り方」の方が良いとも思いますし、色々やり方はあるでしょうが、そんなに気を使わなくても良いでしょう。

鷹尾氏:私も同じように思いますが、時代は「小さく褒めて、小さく叱る」方向に向かっていると感じています。

高井氏:褒め上手を目指すことは重要なポイントですね。今はむしろ褒めることによってマネージメントをしていくやり方が大きな流れになっています。
でも、それが日常化しすぎると、褒める意味がなくなり、褒め方が下手になったと感じたり、効果が薄れたと感じたりすることになりません。
褒めることと、叱ることを上手く使い分けるバランスが効果をあげる上では大切です。

私の若い時代は圧倒的に叱られる方が多かったですね~。褒められることが珍しかったので、褒められた時はとっても嬉しかったのを思い出します。
どちらかというと、叱られ慣れていたので結構腐ってましたね(笑)

鷹尾氏:腐ってたんですか(笑)
私も昔は褒められることは少なかったです。ただ、褒め方が下手な方がはるかに無難で何も起こらないんですよね~。

高井氏:私は「小言をいう上司・何も言わない上司・褒める上司」の中では「褒める上司」が印象に残っていますね。何も言わない上司はほとんど記憶に残っていません。
要するに心の会話が出来てなかったのです。
叱られた上司は嫌だけど反論したことで会話をしたので覚えていますね。

私の「語録」にもありますが、良い上司というのは三流の上司と、超一流の上司です。色んな教えを受けるという意味で、この両極端な上司はありがたい存在です。
一方、二流の上司や普通の上司は熱心に業務知識、一般的な知識などたくさん教えてもらっていますが、人の活かし方や教育という面では意外にもインパクトが薄い面があります。
私の経験でも部下教育に熱心なあまり嫌われている管理者が居まして、その方は部下に自分のやり方を押し付ける形の細かい指導をしていましたね。
このような上司は意外に多いのではないでしょうか?
しかし、嫌な上司というのは自分がその立場になった場合に、あんな上司にはなりたくないと反面教師にもなりますから、デメリットだけだとは言えません。

鷹尾氏:おもしろいですね~なるほど!

高井氏:嫌な上司は反面教師、超一流の上司は心から信じて学ぶ姿勢が出てきますし
事実として学ぶことが多かったですね。
普通の上司の場合は印象・記憶が薄いのです。そして心もあまり動かなかったように記憶しています。
なので私は超一流の上司か、ダメな上司に巡り会えると今後の人生への効果は大きく変わってくると思っています。

 

鷹尾氏:超一流上司、ダメ上司で思い出したのですが、最近出版社さんとお話する機会がありまして、最近の本は「極端」なものが売れる傾向があるようです。極端であることが今の時代、大事なんだとおっしゃっていて、物凄く面白いアイディア概念だな~と思っていました。
上司の話というのは、まさにそうですね。
極端に褒める、叱る、を繰り返すことが重要だということに繋がるのでしょうか?

高井氏:意図的に怒るというのは人間なかなか出来ないと思います。怒るやり方で指導する上司は本来怒りっぽい人、人を褒めたがらない人が多いような気がします。
そんな上司は嫌いだけど注意してくれている点は有難いですよ。
私も経験上、悪いところを言ってくれるから、あの時は叱られて良かったな~と度々思っていましたね。感情的になったり反発的にばかり考えないで叱られるメリットも頭に入れる必要があるます。叱られるの反対で褒められるというのは、自分を認めてくれることなので当然嬉しいですけれどね。

鷹尾氏:そうですか、私は意図的にしか叱ることができない。感情的に怒るという行為が苦手です。

高井氏:私は意図的に叱るということはなかなか出来なかったですね。正直言って叱り方はあまり上手くありませんでした。注意は出来るけれど、意図的に叱る、怒るということは出来なかったですね。

鷹尾氏:意図的に怒ると、どうしてもタイムラグができてしまいます。

高井氏:怒ることが多すぎると受け手側はどうでしょう。
私の若い時代は叱ること、注意することが上長への報告時に指導されることが一般的でしたが、今は褒めることが中心になっていて、完全に時代が変わったと言えますね。OJTの中身が変わってきています。

鷹尾氏:高井様のおっしゃる、褒める上司が印象に残っているというのは希少性が高かったということでしょうか。

高井氏:一般的に言うと、みんな褒めて欲しいと思っている中で、褒めてもらえないとサラリーマンだから自分の成績が気になるし、褒められると嬉しくなりますよね。
私の場合は、怖くて厳しい上司に「力が付いた」と言ってもらったことに、やっと認めてもらった、と自信が付き始めました。
その時は出来る同僚がいて、彼がもっとも評価されていると思っていました。
ところがその怖くて厳しい上司は、彼よりも私の方が発想力は大きいよ、と褒めてくれたのです。自分の評価は自分でなかなか分からないものですね、そう褒めてくれた上司には失敗の度に叱られたり注意されていましたが、そうやって褒めてもらって力をつけさせてもらい、大変ありがたい上司に巡り会えたと今では思っています。

次に、会社でとても厳しくて近寄りがたい上司が居まして、その上司から「君が一番勉強しているね」と言われ、普段褒めない人が私を褒めてくれたことが嬉しかったですね。
最後に、評判が良くないし、出来れば口を聞きたくない上司も、その上司の同期の人との飲みの席で、私の力を披露してくれたことがありました。これは嬉しかったですね~自分も捨てたもんじゃないと調子に乗り始めました(笑)

この3つの経験談は、怖い上司、厳しい上司、嫌な上司のケースで、一般的に言う「難しい上司」のケースでしたが、褒められたことで気持ちが高まり自分を得ました。
上司として部下の能力を見極め、それを伝えることで部下に力、自信を付けさせることがとても重要だと思いました。

鷹尾氏:そんな風に褒められたという話は、同期全員にしているわけではない、となると、その人の持っている成長のベクトル、成長の先見性を見抜いている、そして活かしたいということですよね。それは本当に難しいと考えながらお話を伺っていました。

高井氏:私の時代は学歴社会であり大企業組織ですので、まず同期との競争、潜在的能力勝ちに勝たないといけないという世界の中での話なので、ちょっと違うかもしれません。
なので、自分の力をどう評価してくれているか、上司から部下への評価の伝え方の問題だと思いますね。

私も部下を褒めることもありましたが、しょっちゅう褒めるということではありませんでした。自分なりに努めたことは、褒めることよりも部下の課題を見つけてあげて目標を設定し、持てる力を伸ばしてやるということでしたね。
モラルややる気がアップするように、出来る力があるのに磨かないと勿体ないぞ、と部下個人に伝えることは度々しましたね。それが上司としての最大の責務として取り組みました。

 

鷹尾氏:私も同じように社長の心得の1つとして、本人が思いついていない本人の長所を見ようとする、というところもあるんじゃないかと思いますね。

高井氏:要するに社長は教育者なんですよね、企業は社員の能力が伸びるに従って業績が伸び、結果企業は成長します。社長は、社員の能力を伸ばすことに社長自らの成績が存在するわけです。つまり社員教育が社長の重要な仕事の1つと言えますね。
しかし、一方では今言った教育者ソフトパワーとは別に自分は同業には絶対負けたくないというような競争意識が際立って高いという点もあります(笑)
経営者には色んな側面がありますね~、それはまた別の機会にお話しましょう。


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